・オープンマリッジとは
配偶者以外との性行為をお互いが理解し受け入れる夫婦関係のこと。婚姻前に事前に合意する場合も、婚姻後に導入する場合もある。


最近話題になっているオープンマリッジ。その歴史は1970年代頃からあると言われています。日本では賛否のピが圧倒的に多い考えですが、有名なインフルエンサーが自らの夫婦関係をオープンマリッジだと宣言したことで一気に話題になりました。


前提としてここではオープンマリッジが良いか悪いかということを語るわけではありません。探偵として数多くの不倫問題を目の当たりにしていますが、不倫は極論夫婦間の問題の域を超えることはないです。


沢山の時間と費用をかけて証拠を掴んだとしても、最終的に離婚も慰謝料請求もせず夫婦関係を継続される方も居ます。その方に絶対に離婚したほうが良いですよ、とも、子供の為に離婚しなくて良かったですね、とも言いません。


ご相談者様の意見や決断を尊重したうえで肯定も否定も必要ないと考えているからです。自分の人生には自分で責任を持つ、特に不倫という非常に辛い経験を踏んだ方にこそ、自らの足で不倫を乗り越え一歩でも前進してほしいというのが弊所の考えで、その為に出来ることは全て協力する所存です。


話が逸れましたがオープンマリッジについて、その定義の通り夫婦間でお互いがしっかりと許諾して納得しているのなら何も問題はないと思います。ただし、個人的には絶対に採用しない制度ですし、採用しているご家庭には嫌悪感や変な人たちと言った印象は持ちます。


そのような人たちがいることは否定しませんが関わってしまったら面倒だなというのが本音です。


前置きはここまでにして、今回は今話題になっているオープンマリッジに関係して、配偶者の不倫を許してしまっていたら慰謝料や離婚を請求することは出来ないのか?という点について説明しようと思います。


結論として、オープンマリッジや不倫公認の書面等に合意サインをしている場合でも、慰謝料や離婚を請求することは可能です。一般的な不倫事例と同様にオープンマリッジ中の配偶者以外との性行為も離婚事由に該当します。


例え口頭や書面で関係を公認していたとしても、公の秩序または善良の風俗(公序良俗)に反する事項を目的とする合意は例外的に無効となります(民法90条)。


婚姻とは配偶者以外とは性行為をしないことが本質であり、それを否定する合意というのは公序良俗に反するということになってしまいます。なので、いくら「結婚前に不倫OKと決めたじゃないか!」と不倫無罪を主張されても、しっかりと慰謝料請求することは可能ということです。


ではなぜこんな考えがつくられたのでしょうか。法的に根拠のない合意であれば結局リスクを取って不倫することと何ら違いはありません。


結局は夫婦間の価値観のすり合わせの結果なのかなと思います。世の中に極わずかとは言えオープンマリッジを採用してうまくいっている夫婦もいるでしょうし、少し前にはセカンドパートナーという言葉も流行りました。

配偶者だけと一生添い遂げるという考えは遠い未来には変わっているのかもしれません。海外には一夫多妻制度が採用されている国もあります。多様化もどこまで進むか予想が付きませんが日本が一夫多妻制になる可能性も0ではないでしょう。


しかし、将来そうなる可能性があるからと言って、現代のルールや理念を無視してもいいということにはなりません。決まりがあってそれが多くの人に受け入れられている以上、ルールに則った上で人間関係を構築できるといいですね。


個人的には有名人が公にオープンマリッジを宣言してこれだけピの反響が多い場合、その有名人と関係を持ちたいと思う人が居るのかどうか疑問を持ちました。もちろんプロのお店などは問題なく使えると思いますが一般の方との出会いはかなり条件が難しいのではと思ってしまいます。

世の中にはいろいろな人が居るのでどれだけ希少な価値観でも需要と供給が合うことはあるのでしょうが、中々想像し難い世界だなというのが正直な感想でした。


オープンマリッジとまではいかずとも、言葉の綾で「外で発散してきたらいいじゃない」「よそで男作っていいよ」などと言ってしまった経験がある方は意外と少なくないのではないでしょうか。今回の話のまとめになりますが、これらっぽい発言をしてしまっていたとしても不倫に対しての制裁を諦めないでください。


色々な夫婦の形があって価値観はご家庭それぞれですが、守らなければならない法や倫理は皆同じです。例えイレギュラーな不倫問題だとしても解決の糸口は必ずありますので、ご自身の抱える不安はどう解消すべきなのか、悩まれている方はお気軽にご相談ください。


ということで今話題のオープンマリッジに関連して綴ってみました。最後までお読みいただきありがとうございました。皆様との一期一会を心よりお待ちしております。

大川探偵事務所横浜本部 代表
大川 健司