旦那と不倫相手がラブホテルから出てきたところに突撃する。ドラマで一度は見たことがないだろうか。否、私はドラマではないが(そういうドロドロ系は見ない)リアルの現場で見たことがある。というか現場を撮影したことがある。





私が20代の頃、まだ独立しておらず、いち調査員として奮闘していたある日。クライアントからこんな要望があったと先輩に告げられた。


「浮気現場に凸するからそれを撮影してほしいらしい」と。私はそれが初めての経験だったが、実はそこから今までちょこちょこ似たような経験はしている。証拠が充分に揃った段階で、これ以上の調査はもう必要ないという状況だとたまに同じようなご要望がある。


20代の頃の私はまだまだ経験不足でドキドキしながらコソコソと撮影したのを覚えている。凸された不倫者たちは鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔をして必死に何か言い訳をしていた。自分でも無理だと悟ったのか途中微笑んでいるようにも見えた。


人間、本当に追い込まれると無意識に笑ってしまうらしい。





そして話は現代へ。今回のテーマの本筋だ。


昨今のAI技術の進化は凄まじい。特に映像関連では、ぱっと見AIなのかAIじゃないのか見分けがつかないレベルに達している。この技術は素晴らしい反面、様々な場所で弊害も生まれている。


他人の顔を勝手にAI学習させたり、美術品やイラストなども同様、AI学習させて生成したものをその人が”描いた”と言えるのかどうか、すでに至る所で論争が勃発している。


それくらい映像に関しては進化のクオリティとスピード感が半端ない。しかもここ半年~1年位で一気に加速したイメージがある。


そしてその弊害はいずれ探偵業界にも影響を及ぼすと思っている。一番は証拠の信憑性について。





我々探偵が撮影した証拠画像に対して「AI生成したものだろ!」といった反論が来る日もそう遠くはない気がするのだ。そして画像の補正としてAI技術を導入する探偵社も増えていくことだろう。そうなれば不倫者たちの戯言と取れる反論も、意義が出てくる日がやってきてしまう。


下手な探偵の下手なAI技術の介入は、探偵業界全体の信用を下げかねない。真実のみを追求する、真っ当な探偵を選ぶ力が、これまで以上にご依頼者様に必要になる。


弊所では今後探偵業務に於いてAI技術を導入する方針はない。もちろんこの記事も私(代表・大川)が頭を捻らせまくって考え、執筆している。だから時々変な表現や言葉遣いがあるのはすいませんと言わざるを得ない。





話を戻して、AI生成だと疑われても対処は可能だということをお伝えしたいと思う。


弊所が撮影する不倫の証拠は、何もホテルの出入りだけではない。どの場所から調査を開始したのか、不倫者はいつどこで誰と何をしていたのか、利用した施設や乗った電車、購入したものまで、不倫者の行動全てを詳細に記録し全て報告書に画像付きで記載する。


前後があってそのうえで不倫の証拠となるホテルインやマンションの出入りなどを撮影するので、報告書一冊が一連の流れとなっており、誰が見ても内容を理解できる構成で作成する。


ホテルに入る場面や出てくる場面一枚ならAI生成で作ることは可能でも、その日一連の流れを生成することは出来ない。何故ならどこで何をしていたか情報がないからだ。


報告書に記載された一連の流れ全てが嘘でAI生成だと言い張る不倫者が出てくるものなら、余程残念だと言わざるを得ない。客観的証拠が揃っている状況で、ただ単に「それは嘘です」という主張がどれだけ通るだろうか。もがけばもがくほど自分の首を絞めることになる。





さらに、AIの進化で今後このような事態が業界的に蔓延してきたとしても、すでに対策は考えてある。現場でしかできないやり方で必ず証拠を集める。


そのうちの一つとして挙げられるのが現場への凸。今後証拠を揃えたご依頼者様が、最後に現場凸をご要望される案件が増える気がしている。AI対策の万が一の予防線として最後の戦い。確かに言い訳させない方法としては最大の攻撃力だと思う。直接不倫相手にも文句が言えるし焦った顔も見れる。


ただし安全対策と諸々の作戦会議は必須。
もし凸したいというご要望があれば、最後まで付き合います。


大川探偵事務所横浜本部 代表
大川 健司